memo(´し_`)mon

移転しました。→http://yoshicage.jugem.jp/

 

一定期間更新がないため広告を表示しています

author よしかげ|-│-
乙一,荒木 飛呂彦
The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

 乙一氏によるジョジョの奇妙な冒険第4部アナザーストーリーです。

【警 告】


以下ネタバレ含んだ感想ですので、まだ読んでいない方、
まだ読んでる途中の方、携帯でココを見ている方で
まだ内容など知りたくない方、他人の感想など無駄ッな方、

これより先は読んではいけない。




まずは、読み終えた第一声を。


【お見事!!!!!!!】


 この一言にすべて詰まってます。

自分は初めて乙一氏の作品を今回読みました。
なので他の彼の作品がどのようなものなのか
知りません。←このへんを前提でよろしくです。
前半はなんとなーく読んでる感じでした。
というのもほぼ前面に出てくるのは、乙一氏オリジナルキャラたちだからです。
康一と露伴はすぐに登場しましたが、肝心の仗助が登場するのが
100ページを越えてから。なんだこりゃ、って思いました。
その時は。

荒木ジョジョ→乙一ジョジョの流れで読んでいるので、馴染みのない
オリキャラたちにはあまり愛着も持てず、大した感情移入もできず
「ふーん」て感じなのです。
まさにオリキャラ登場の同人誌でも読んでるような感じ。
自分はオリキャラとか出されると、非常に興ざめしてしまうので、
正直前半を読んでいてどこか冷めてこの本を読んでいました。
なんでこんなにオリキャラの過去や日常を、長々と読まされないといけないわけ?
そんな苦痛にも似た感覚。 やっぱりこんな程度か。
でもこの時すでに自分は乙一氏のスタンドに攻撃されていたのかも。
前半のオリキャラたちの動きは、後半への伏線であり、感情移入されてない
からこそ深いキャラ作りで乙一の世界に入ってもらわなければならない。
とりあえずココは俺の世界だから、荒木ジョジョは置いといてね。
っていう乙一氏の声が聞こえそうな感じ。中盤以降、その攻撃は激しくなり
完全に乙一氏の領域に引きづり込まれてしまうのです。
 
何度も前に戻っては、ああ、なるほど。と納得する。
ここに繋がるのか!!こうなるのか!!っていう後半の衝撃。
最後のスタンドでの億泰VS蓮見戦、仗助VS蓮見戦は圧巻の迫力。
このバトルシーンの為に買っても損はないかも。
最後の最後まで【荒木ジョジョ】であり【乙一ジョジョ】なんです。
世界観を崩すことなく、見事なまでに乙一ジョジョを表現してくれました。
 
同人誌を書いているようで、執筆中は大変だったけど楽しかったらしい。
ここに乙一氏のすべてが籠められているような気がする。

確かに他人様のキャラと世界を土俵に、自分の作品を書くのだから
同人誌に感覚は似ているかもしれないが、作品の全体的な作りはジョジョを
知らない人たちを対象にしているような気がした。
そう感じるのはオリキャラの存在感の大きさと、メインキャラの登場の遅さである。
乙一氏の世界にジョジョキャラたちが客演している。
そんな印象さえ受けます。
それほど独自の世界観が作り上げられてるのです。
まあ、ジョジョファンだけが買う訳じゃないし、乙一氏のファンでジョジョを
知らない人だって買うわけだから、逆にジョジョを知らない人たちにどう見せるか、
そっちの方の表現力の方が大変だったろう。
とはいえ、自分は荒木ジョジョ経由で乙一ジョジョを知ったので、あえて
ジョジョ寄りの目線で書かせていただきます。

でもジョジョの世界観を壊してない。似ていて非なるもの、そんな感じ。
これがまたスゴイ。
ここでふと思う。
スタンドとはその人の人生観みたいなもの。と、荒木先生が言っていた。
今回敵としてに登場する蓮見琢馬は、乙一氏自身なのではないか。
蓮見のスタンドがとても乙一氏らしいものだったし、戦闘方法も
実に乙一氏らしかった。
ジョジョ好きな人なら、一度は思うんじゃないだろうか、自分もジョジョの
世界でスタンド使って戦ってみたい。と。
まさにその思いが今回形になってるんじゃないだろうか。
もちろん自分も思ったことあるし(笑)
敵として登場して、仗助たちと戦ってみたい。なーんて思ったこともある。

元々のジョジョの世界を壊さずに、自分のジョジョの世界を更に作り上げ
見せてくれた。これはお見事だ。
更にすごいのは、登場したオリキャラたちが最終的には色々な形で、
ジョジョの世界から去っていく。
最後の最後で、ゲストは自分たちであり、ジョジョの世界は荒木先生だけ
のものであって誰もその領域には入れないのですよ。
と最大の尊敬の念と敬意を込めて幕を閉じ、荒木先生に返した、
そんな気がしてならない。

緻密なストーリーと人間関係。複雑に交差した時間が最後にひとつになる。
気がつけばオリキャラに感情移入して、蓮見の最期には涙が止まらなかった。
なんてきれいな情景を書けるんだろうか。
人の散り際の美しい情景を見事に表現している。
これを書いてる今も、蓮見の最期を思い出すと胸が痛くなるし、泣けてくる。
タイトルの【The Book】と本の装丁の意味が終盤明らかになった時、
また震えた。
そう、自分は乙一氏のスタンド攻撃をがっつり食らったんだ。
ああ、もう今はオリキャラたちすべてが愛しいし、確かに彼らは杜王町で
仗助たちと生きていた。
何度も何度も原稿を没にし、その数2000枚を越えたらしい。
収入もなくなり、この本の為に他の執筆活動をしていたと、
あとがきに添えていた。

乙一氏の命がけの行動ッ! 自分は敬意を表するッ!

本ー当に【いい本】でした!!!
この本のお陰で架空の街【杜王町】にますます住みたくなりました。
こういう本にはなかなか出会えない。
そんな秀作です。ジョジョ知らなくても、オススメしたい一冊です。
むしろここからジョジョの世界に足を踏み入れてみて欲しいかも。
自分はあと5回は読み返そうと思う。
できれば何の知識のないまま、この本を読んでみてほしいです。
そしてびっくりしてほしい。

たった一つだけ荒木ジョジョと乙一ジョジョに、決定的な違いが
ある箇所がある。
それはオリキャラたちが何度か【自殺】を図ろうとする所がある。
この後ろ向きな所は唯一荒木ジョジョにはない。
常に前向きであれ。というのが荒木先生の美学だ。
しかし、現実世界でそう生きていくのは本当に難しい。
乙一氏はあえてそこを相違させたのか!!?
と深読みすると激しく震えちゃうね。
なるべく内容の核心には触れないように書いたつもりですが、
これを読んで購入意欲を失わせてしまったら申し訳ない。
自分はジョジョ寄りな感想を書いたので、今度はジョジョを
知らなくてこの本を読んだ、乙一氏寄りの感想が見てみたいです。

【The Book】/乙一<2007-11-25初出>

author よしかげ|JOJO関連│-
| TOP | 【GANTZ】女地獄感想 >>
author よしかげ|-│-
| / |
RSS1.0ATOM0.3